ホーロー対ステンレス
カテゴリー:キッチンのポイント
ホーロー vs. ステンレス
ホーローのシテムキッチンといえば、タカラスタンダード(以下、タカラ)の独擅場。
タカラは、ただのホーローではなく、「高品位ホーロー」と称しています。
ホーロー(琺瑯)とは、鉄などの金属材料表面にガラス質の釉薬を高温で焼き付けたもの。
タカラの高品位ホーローは、ベースの鋼板も、表面のガラス質も、焼き付け技術も、いずれも「高品位」なのだと思います。
工芸品としてのホーローは、「七宝(しっぽう)焼き」です。
つまり、いつまでも変わらない美しさを保つのです。
タカラのホーローは、850℃で焼き付けられています。
したがって、それより温度が低ければ、熱にも強いといえます。
タカラのホーローは、ベースが鋼板ですから、磁石がくっつきます。
さまざまなマグネット付き小物が扉の表にも裏にもくっついて便利です。
タカラのショールームに行くと、木槌(きづち)でホーロー扉を叩いて、丈夫さをアピールしてくれます。
しかし、表面はガラス質ですから、ミクロに見れば、細かいヒビ割れが生じているはずです。
ご自宅のホーローを叩くのは、止めた方がいいでしょう。
一方、ステンレス鋼板製キャビネットのシステムキッチンが得意なのが、クリナップです。
キャビネットがステンレス鋼製である利点は、下の図にあります。
このうち、「環境にやさしい」というのは、リサイクルのしやすさだと思います。ステンレス鋼板はリサイクルできます。
気をつけていただきたいのは、「サビにくい」という特長。
「絶対サビない」というわけではありません。
ステンレス鋼の表面は、不動態皮膜(ふどうたいひまく)で覆われています。
不動態皮膜は塩素イオンに弱いし、すき間も苦手です。
ですから、ステンレス鋼板の上に醤油など塩分を含む液が垂れていて、その上に食器などが載った状態が続けば、サビが発生するかもしれません。
多くのキッチンのシンクはステンレス鋼製です。この点は、気をつけていただきたいと思います。